2014年4月30日水曜日

日高山脈縦走敗退(楽古岳~コイカクシュサツナイ岳)



すっかり忘れてましたが、2月に行った日高縦走の記録をアップします。


2/203/2(10-1) 日高山脈縦走敗退(楽古岳~コイカクシュサツナイ岳)

12月の大雪縦走を終え装備、食料などを見直し2月を待った。予定では45日の停滞をもって3週間ほどの日程で楽古岳~芽室岳を狙ったが、急遽仕事が入り17日間しか時間が取れなくなってしまった。
まだ天気の悪い北日高は後回しにして天気のいい南日高から攻めて、日数がなくなればさっさとエスケープする方針。

2/20晴 上杵臼除雪終点12:00→楽古山荘15:20C1
浦河からタクシーで除雪終点まで送ってもらい、いよいよ入山。軽量化はしてきたがさすがにザックが重い。楽古山荘までの林道は時折シカのトレースに助けられながら歩く。




2/21/曇 楽古山荘6:30→楽古岳14:00C2
快適な楽古山荘はなかなか離れがたく、出発が遅くなってしまった。夏道尾根に取付くがバリズボ。なえる。しかも春のような気温で暑くてばてる。楽古岳につくころには雪もちらつき始め、めんどくさくなったので直下に半雪半イグルー。非常に不快調、明日からは快適な雪洞を掘ることを心に誓う。




2/22快晴 C2 5:00→十勝岳9:00→オムシャヌプリ12:45→ニオベツ左岸尾根頭14:30C3
稜線に出ればアイゼン快調なんてことを期待していたが、スノーシューでも相変わらずのバリズボでペースが上がらない。早く荷物軽くならないかな。3L近く持ってきたウィスキーを捨てるか本気で悩む。今晩はいつものところに穴を掘る。




2/23快晴 C3 5:30→野塚岳6:30→トヨニ岳13:00C4
朝のうちは気温も低くバリズボでも快調に進めるが、日が出て来て暑くなると途端にペースダウンしてしまう。野塚とトヨニのあいだに岩稜状がありアイゼンに替えるがスノーシューでも通過できた。今回のスノーシューは氷、岩でのグリップがかなり良いのでこういった履き替えタイミングも時間の節約のためには、間違えられない。
ちょっと早いが予定通り来ているので、トヨニ南峰に穴を掘る。左足のスノーシューがいつの間にか曲がっていた。




2/24快晴/風 C4 5:30→ピリカヌプリ11:00→最低コル13:00C5
昨日ソエマツだと思って見ていたでかい山はピリカだった。ガーン。毎日快晴でろくに地図も見てなかった。南日高は何度も歩いているがあてにならない記憶だ。
ピリカの最後の登りは急なので、アイゼンに替えるがバリズボ。下りは快調にアイゼンが決まる。ずっとこうだといいのにな。風が強くでかいザックが振られるので、最低コルで早めに穴を掘る。




2/25快晴/ガス C5 5:30→ソエマツ岳8:30→神威岳14:30C6
ソエマツ手前のコルにギャップがあり、ちょっと緊張する。ソエマツの登りはおおむねアイゼン快調。現役時代ソエマツ頂上のイグルーで3停滞くらいした記憶があるが、どこに作ったのか思い出せない。
ソエマツ~神威間は細いアップダウンが続き精神的にも体力的にも消耗する。足元も頻繁に履き替え、時間もかかる。神威岳直下に穴。
3本持ってきたライターのうち2本は早々につかなくなってしまったのだが、最後の一本を湯沸し中に鍋に落としてしまう。かなり焦ったが乾かしたら点いた。疲れているのか。




2/26快晴 C6 6:00→ニシュオマナイ岳8:30→中ノ岳13:00Co1260 13:30C7
ニシュオマナイの登りから神威山荘が見える。懐かしい。ニシュオマナイ~中ノ岳は細く、途中の岩峰は上行ったり、捲いたり。ウサギのトレースが良い道しるべ。
中ノ岳からの下りは急だったので、氷化した沢からトラバースして稜線に戻る。スノーシューではちょっと固くアイゼンにするべきだった。
途中、ザックの肩紐が切れる。右足のスノーシューもいつの間にか曲がってる。左足首がなんだか痛む。ここまで十勝側の雪庇を避けて左足をずっと日高側の谷足にしていたためか。
Co1260で穴を掘っている間、かんばにシュラフをかけて天日干し。フカフカ。




2/27/風 C7 5:00→ペテガリ岳11:00→ルベツネ山手前Co1680 13:30C8
稜線は状態よく何でもない。雪庇も2mほどか。昔記録で読んだローリング雪庇とやらを拝みたかったが。
ペテガリからは39、カムエクが大きく見える。いよいよ日高の核心部に入った感じ。ペテガリを越えてしばらくはアイゼンポクポク快調。最低コルで穴を掘るもブッシュが出てきたので、ルベツネ手前まで上げて穴に泊まる。




2/28雪→晴 停滞C8=C9
9:00まで待つが視界なく停滞。ちょうど良い休養になった。

3/1晴→雪/風 C9 6:00→ルベツネ山6:30→ヤオロマップ岳12:30→コイカクシュサツナイ岳14:30/15:30→夏尾根末端17:00→札内ヒュッテ19:30C10
風強く、冷たい。ようやく冬の日高といった感じか。高標高は固くアイゼン快調だが、ダケカンバが近くなると相変わらずのズボズボ。ルベツネ~ヤオロ間で2mほどの雪庇を落とす。やはりカンバ林の中を行かねばなるまいか。
ヤオロ~コイカク間は沢からの吹き上げのためか固くてアイゼン快調なのだが、気になっていた左足の傷みが激しい。フラットフッティングもままならず、何度かひやりとする。強風のコイカク山頂で1時間くらい悩むが、ここからエスケープすることにした。
急な夏尾根はスノーシューで滑れるので早い。所々トレースが見えていたので沢に降りてからもトレースを期待したのだが、残念ながらなかった。ラテルネをつけてラッセルを続け、水位観測小屋付近で作業員のトレースに乗り札内ヒュッテへ。小屋は暖かく幸せ。


3/2快晴 除雪された舗装路を1時間ほど歩いて札内ダム管理所へ。タクシーを呼んで下山。

次は必ず完徹することを誓い、日高山脈に別れを告げる。

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